2022年10月7日
冷凍・冷蔵車の販売を手掛けるヘイワオートサービス(水谷欣志社長、浜松市東区)は10月から、バッテリーによる冷凍機の作動で、車両の駆動に負担がかからない軽貨物の電気冷凍車「Ele-cool」の中部圏での販売を開始する。 2021年11月に、同冷凍車を製造・販売していた不二商(同、神奈川県厚木市)をM&A(合併・買収)により子会社化したことから今後、ヘイワオートサービスが中部圏の販売を担当し、商圏を拡大する。 子会社化は21年11月ものの、半導体など部品不足により車両の供給が滞っていたことから、販売開始時期が遅れていた。今回、車両生産が軌道に乗ってきたことから、ブランド名をEle-coolと新たに名付けて、本格販売に乗り出した。 関東圏では不二商が引き続き販売活動を展開。これまでに年間で80台程度の販売実績を持っており、これを中部、関西圏での販売と合わせ120台程度に引き上げる。 Ele-coolは、通常のバッテリーとは別のバッテリーからの電気供給によりコンプレッサーを作動させ、冷凍機能を維持することが最大の特徴。エンジンの動力で冷凍機用のバッテリーを蓄電しながら、冷凍機を動かすことでエンジンに負担が掛からず走行時のパワーロスが小さくなる。 一般の冷凍車ではメインエンジンの動力による冷凍機稼働の直結式が主流で、こうした方式では走行時のパワーロスがあった。Ele-coolは燃費も従来に比べ17.5%の向上が見込める。車両停車時にはエンジンを停止してもしばらく冷凍機を作動できる。 100ボルト電源を標準搭載しているため、一般のコンセントで冷凍機を冷やしながら前日から貨物を積むことができる。マイナス20度~セ20度の低温車には軽貨物車両を用意。マイナス5度~セ氏20度の中温車は軽と1トンクラスの車両を取りそろえた。宅配事業者や食品を扱う商社、店舗、レンタカー会社などへの販売を見込む。価格は消費税を含めて220万~270万円。
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